腹一杯まさの徒然

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武田豊樹。

地元取手の杜のバンクを豪快に駆けていく熱い魂を持ったアスリートがいる。そう、武田豊樹その人である。
現在武田の登録地は茨城だが、実際の出身地は私と同じく北海道。
その事もあり、闘将藤巻兄弟や世界選チャンプ俵信之、はたまたスケートでの先輩に当たる三谷幸広らのいる函館をホームにしようかとも考えたが、五輪を経験した血が疼くのだろうか、長塚智広十文字貴信らがいる茨城に決めた。
88期生で在校第3位という好成績を残し、そして迎えたデビュー節(立川)。
余裕でピンピンと勝ち上がったが、最終日まさかの落車に巻き込まれ、鎖骨骨折の憂き目に遭う。しかし驚異的なスピードで回復した後、当時史上最速でS級に特進しその実力を余す所無く誇示して見せた。
さらに特別競輪初出場(親王牌)でいきなり決勝進出を果たすなどまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで輪界にビッグウェーブを起こしていった。
その後もコンスタントに大レースの決勝に進出するなど、同期の山崎芳仁らと共に第一線で活躍している輪界には欠かせぬ存在となった。
そして何と言っても武田が実際のレースで私に物凄い迫力を与えてくれる瞬間がある。
それは彼が2番車を背負った時の物凄い気合だ。
別に2番車以外の色が似合わないと言っている訳ではない。個人的な見解として武田豊樹という選手の魅力を最大限に引き出す気合漲る姿は黒の勝負服であるべきと思うからだ。
特に最終の4角を豪快に捲り切る際の一瞬の刹那はどんなに頑なな者の心をも大きく揺さぶる。
形容するならば「黒い弾丸」とでも例えようか。はたまた「野武士」か。武田豊樹とはこのどちらの比喩もピッタリと当てはまる稀有な男である。
そんな武骨な魅力を持った武田からもう離れられない。男が男に惚れるというのはこういう事なんだと思わず納得させてくれるのだ。

最後に一言。「山崎だけじゃねえ、俺がいるぜ…」